白内障の手術について

白内障手術は、早くて、安全で、効果的と宣伝され、日本では年間1５0万件もの白内障手術が行われています。

 

しかし、手術については、早ければよいなどと安易な考え方は禁物で、最近では、目に優しく、いかに丁寧に手術を行うかが重要と考えられています。

私達も原点に戻り、患者さんにベストの状況で手術を行うことを目指しております。

 

 

当院では白内障手術器械に、ボシュロム社のステラーリス エリート、J&J社のシグネチャー　プロを備え、最新の極小切開白内障超音波手術に対応しています。

硝子体手術装置は、アルコン社のコンステレーションとボシュロム社のステラーリスPCを完備していますので、万一の合併症が起こったときも、迅速な対応が可能です。

 

 

 

手術の実際(10分程度)

 

 

 

白内障手術の合併症

• 痛み・異物感・しみる感じ

麻酔が切れると、軽い痛みや異物感を感じがでることがあります。

 

• 眼圧上昇

術後に眼圧が上昇する場合があります。その際は眼圧を下げるお薬を処方します。また点眼薬の影響で、眼圧が上昇することもありますので、その場合は点眼の変更が必要です。

 

• 球結膜下出血（白目の出血）

術後に結膜（白目の部分）から出血し、白目が赤くなることがあります。出血は術後1～2週間で自然に消失します。

 

• 感染症

細菌が入り、感染症を起こす可能性があります。汚れた手で眼を触らないよう十分注意し、処方されている抗生物質の点眼をお使いください。

 

• 後発白内障（嚢の混濁）

術後に眼内レンズが入っている袋（後嚢）が混濁し、霞んだり、眩しくなったりして、視力が低下することがあります。この場合は、外来でYAGレーザーを用いて、混濁部分を取り除く処置を行います。

 

• 水晶体嚢が破れる、チン小帯が切れる

ごくまれに水晶体嚢が破れたり、水晶体嚢を支えるチン小帯がきれることがあります。この場合は眼内レンズの種類を変更したり、カプセルリングを使用したりすることがあります。手術方法の変更や再手術を行うこともあります。

 

• ハロー・グレア・エッジグレア

暗いところで、街灯や車のライトがにじんでみえたり（ハロー）、まぶしくみえたり（グレア）することがあります。また、弓状、放射状の光（エッジグレア）が見えることがあります。

 

• 視力の限界

白内障以外の疾患があると、視力が出にくい場合があります。

 

• その他の合併症

非常にまれな合併症として、角膜内皮細胞の減少、ブドウ膜炎、眼内炎、黄斑浮腫、駆逐性出血などがあります。