単焦点眼内レンズ

単焦点眼内レンズは、１つの距離に焦点を合わせた眼内レンズのことです。

単焦点眼内レンズでも、手術によって水晶体（もともとある目の中のレンズ）の濁りがなくなるため、明るく、見えやすくなります。しかし、一つの距離に焦点を合わせているため、遠くの看板も、手元の新聞も両方見えるというわけではありません。

遠くが見える単焦点眼内レンズを挿入した患者さんは、運転やゴルフは眼鏡なしでいいのですが、近くの字やスコアカードを見る時には近用眼鏡（いわゆる老眼鏡）が必要です。

近くが見える眼内レンズを挿入した患者さんは、読書、お料理、お化粧にはいいのですが、テレビをみたり運転する時には、眼鏡が必要です。

多焦点眼内レンズ

従来の多焦点眼内レンズは、遠方と近方の２焦点眼内レンズでした。しかし、低コントラストやハローグレアなどの多くのデメリットもありました。近年、デメリットを減らした遠方と中間を重視した２焦点眼内レンズ、焦点深度拡張眼内レンズ、さらに広い範囲が見える、遠方、中間、近方の3焦点眼内レンズ、連続焦点眼内レンズなどが注目されています。単焦点眼内レンズの焦点距離を伸ばした眼内レンズも提供されています。

多焦点眼内レンズの進歩は著しいですが、万能でなく、若い頃のように見たいところに焦点を自由に合わせられるわけではありません。場合によっては眼鏡が必要になることもあります。また特有のデメリットもありますので、よく相談してご自身の眼内レンズを決めましょう。

レンズごとのピントの合う距離（イメージ）